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話題のapplication bundler 「PARCEL」を試す

PARCEL

Blazing fast, zero configuration web application bundler」
「高速、設定無しのwebアプリケーションバンドラー」

巷で話題のバンドラー「PARCEL
よくwebpackの代わりになりうるか? みたいなものをSNSで見かけてはいましたが。
この度を試してみました。

🚀 Getting Started

ドキュメントをみてもらえばわかりますが、とてもシンプル。
なので迷うことはあまりないかなと思います。

まずはインストールから。

グローバルの場合は、

npm install -g parcel-bundler

グローバルは嫌なので、プロジェクトごとにインストールする場合

npm install parcel-bundler --save-dev

これだけで、webpackでやっていた大体のことが出来てしまいます。

インストール出来たら、
カレントディレクトリに簡単なhtmlを用意します。
今回は、グローバルではなくローカルインストールで話を進めたいと思います。

index.html

<!DOCTYPE html>
<html lang='ja'>
<head>
  <meta charset='UTF-8'>
  <meta name='viewport' content='width=device-width, initial-scale=1.0'>
  <meta http-equiv='X-UA-Compatible' content='ie=edge'>
  <title>Document</title>
</head>
<body>
  <h1>Hello parcel!</h1>
  <script src="./index.js"></script>
</body>
</html>

htmlではエンドポイントとなるjsを読み込みます。

index.scss

$color1: #f00;

body{
  background:#fcc;
  h1{
    color:$color1;
  }
}

せっかくなので、cssではなくscssを使ってみましょう。

hello.js

export default function hello(...arg) {
  arg.forEach(v => {
    console.log(v + '!');
  });
}

export / import を試すためにモジュールjsを1つ用意します。

index.js

import './index.scss';
import hello from './hello';

hello(1, 2, 3);

エンドポイントとなるjsです。
ここから先ほどのscssと、jsを読み込みます。
これで、準備は整いました。

npm scriptに登録した

  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1",
    "dev": "parcel index.html",
    "build:"rm -rf dist/* && parcel build *.html",  // ビルドするときはこう、古いファイルが残るので消してます 
    "devAll": "parcel *.html" // 複数のhtmlでbundleしたい場合はこう
  },
npm run dev

を叩くと、
デフォルトで localhost:1234
ローカルサーバーが立ち上がります。
ポート番号はオプションで変更可能です。

なお、scssを使っているので、parcelが自動的に足りないモジュール
「sass」をdevDependenciesにインストールしてくれています。

表示は問題なさそうですね、
watchタスクも走っているようで、
それぞれのファイルを更新すると自動でビルド & ブラウザリロードが走ってくれるので
開発は楽チンです。
f:id:resistance_underground:20181226185007p:plain

ビルドされたファイルをみてみましょう。
バンドルファイルはdist内に展開されます。
このディレクトリ名は変更出来るみたいです。
先ほど起動したローカルサーバーはこちらをドキュメントルートとして起動しています。

dist
├── index.html
├── test_parcel.e31bb0bc.css
├── test_parcel.e31bb0bc.js
└── test_parcel.e31bb0bc.map

index.html

<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
  <meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="ie=edge">
  <title>Document</title>
<link rel="stylesheet" href="/test_parcel.e31bb0bc.css"></head>
<body>
  <h1>Hello parcel!</h1>
  <div id="box"></div>
  <script src="/test_parcel.e31bb0bc.js"></script>
</body>
</html>

先ほどのhtmlとの違いとして、
scriptのパス名がハッシュで生成されたものに変更されていますね。
あとは、js内で読み込んだscssが、htmlにハッシュ化されたcssとして読み込まれています。

test_parcel.e31bb0bc.css

body {
  background: #fcc;
}
body h1 {
  color: #f00;
}

cssはしっかりscssからコンパイルされています。

test_parcel.e31bb0bc.js

// 中略

Object.defineProperty(exports, "__esModule", {
  value: true
});
exports.default = hello;

function hello() {
  for (var _len = arguments.length, arg = new Array(_len), _key = 0; _key < _len; _key++) {
    arg[_key] = arguments[_key];
  }

  arg.forEach(function (v) {
    console.log(v + '!');
  });
}

// 以下 略

javascriptもちゃんとbundleされていました。
そしてbabelもしっかり効いているのでES6でも問題ありませんでした。
同じ名前のソースマップファイルも生成されます。

ここまであっという間に出来てしまいました。

総評 webpackと比べて

いい点

・とにかく手軽、設定ファイル不要。というのも他人のカスタムされまくったwebpackなりgulpなりの設定は辛い時があり、 「設定ファイルが無い」という制約は逆に長所となる場合もある。
・モックだったり、小さい案件に使うにはいい。
・「Tree Shaking」の機能が備わっている。

よくない点

・やはり細かい設定が出来ないので、大きい案件や長いスパンの案件にはまだ怖い気がする。
・「optimization.splitChunks」は出来ない。
・ SPAとかで Reactだったり Vue.jsだったりは create-react-appや、vue cliじゃないと厳しいのではないだろうか。


webpackに変わるというよりは、状況に応じて使い分けるのが良さそうです。